みんなではじめるSDGs

SDGs:Sustainable Development Goals

中日SDGsフェアで考える持続可能な未来

 SDGsを楽しく学ぶ「中日SDGsフェア」がウインクあいちで開催されました。持続可能な取り組みを知り、未来のために今何ができるかを考える催しで、来場者が出展ブースで各社の取り組みの説明を受け、ワークショップや講義を通してSDGsを学び、考えました。ステージで行われた愛知県内の大学生によるSDGs取り組み発表会の概要を以下で紹介します。 ※下記写真をクリックすると拡大画像が表示されます

愛知県内の大学生によるSDGs取り組み発表

愛知大学 「国際協力団体SEED ~SDGs私たちにできること~」

発表メンバー 近澤美憂さん、森田優果さん、川地涼太さん
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 SEEDでは「お買い物でできる国際協力」をモットーに、主にフェアトレードの普及活動に務めています。ベーカリーハウスわっぱんと協働でコラボ商品を開発し、フェアトレード材料使用のパンやクッキーを、イベントで販売しました。多くの人に手に取ってもらえる商品を作り、フェアトレード商品についてお客さんに興味を持ってもらえたことが部員のやりがいに繋がりました。また、SEEDが民間企業と協働で商品開発を行っているブランド「Likot」は、不用品や廃品を生かし、元の製品より価値をアップさせるアップサイクルによって製品を産み出しています。ビニールごみを洗浄、裁断、熱圧着したプライシクルシートを使ったパスケースもその一つ。今後もチャレンジを続け、SDGsの目標達成のためにフェアトレード、アップサイクルの認知拡大に努めていきます。

講評

遠藤和重氏

SDGsの代表的なトピックスであるフェアトレード、アップサイクルに精力的に取り組み関心しました。開発された商品デザインも優れています。

クリス・グレン氏

日本は食料を多く輸入しなければならない国です。学生さんたちがリードしてフェアトレード、アップサイクルを広めてください。



愛知学院大学 「ごみゼロの大学祭」

発表メンバー 鈴木義和さん、保田侑輝さん
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 ごみを排出しない大学祭の運営を目指す愛学祭実行委員会SDGs推進プロジェクト。山のようにごみが出る大学祭を改善したい。そして次世代を生きる若者としての責任を果たすため、ごみ削減に対する意識を変えたいと「ごみ箱がいらない大学祭」の取り組みを始めました。活動内容は①全模擬店の使い捨て食器を学食の食器、箸へ置き換えを行ったことで約5,000食分の削減に成功しました。②食べられる容器「もぐカップ」を導入し準備した450個を完売しました。③植物原料を55%活用したリユース可能な「森のタンブラー」の導入。準備した500個が売り切れず、課題が残りました。これらの結果を踏まえ、今後も「おいしく・楽しく」をモットーにごみ削減、ごみを「資源」とする学祭運営を継続し、学祭に関わる全ての人との繋がりを強化。意識改革に取り組み、ごみゼロ大学祭の実現を目指します。

講評

遠藤和重氏

われわれも一緒に取り組みたいと思いながら話を聞きました。学園祭でごみゼロというのは多分日本初の取り組みではないでしょうか。期待したいです。

クリス・グレン氏

ごみゼロの大学祭の実現にはさまざまな課題があると思いますが、素晴らしい取り組みです。ぜひ、2030年の達成を目指してください。



愛知淑徳大学 「30年後のミライ ~つなぎたい、したらの みらいを みんなのチカラで~」

発表メンバー 中川流樺さん、小林愛実さん
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 SDGs11と17の目標達成を目指し愛知県設楽町、中でも田峯地区で地域活性化活動に取り組む「きらきら☆したら」。奉納歌舞伎、田峯茶のPR、運動会などの運営手伝いやSNSでの情報発信を行いながら、地域活性化を目指す活動を先輩から引き継ぎ10年間続けています。田峯地区は人口減少が著しく田峯小学校の閉校も決定。地域の人々が大切にしている奉納歌舞伎の担い手が減少し、伝統継承が困難な状況になっています。このような状況下で、外部への情報発信よりも地域の人たちと関わりを持つことが求められていると考えが変化。伝統が失われていくことを身近に感じ、自分たちの未来もそうなる可能性があり、他人事ではないことを実感しました。今自分たちにできることは何かを考え、田峯地区の伝統を記録し、残していく取り組みを進めています。

講評

遠藤和重氏

SDGs11「住み続けられるまちづくりを」は街づくりだけではなく、文化の担い手や後継者の問題も関係し、他地域の参考になると思います。

クリス・グレン氏

日本の歴史文化は世界から見ても大変貴重です。歴史を守りつつ田峯が持続可能な地域となるよう頑張ってください。田峯城を観光資源として活用するのもいいですね。



東海学園大学 「すべての人に健康と福祉を ~東海学園大学スポーツ健康科学部の取り組み~」

発表メンバー 押切玲奈さん、梶田七海さん、川野由季さん、鈴木彩未さん
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 若者だけでなく、あらゆる人に運動を楽しんでもらいたいと、愛知県みよし市などで行っている活動を報告しました。高齢化が進む今、一人ひとりが健康寿命を伸ばすことが大切です。身体活動量が多いと健康寿命が伸び、生活習慣病の罹患率も低くなり、生活の質(QOL)改善にも効果をもたらします。しかし実際の高齢者は家に閉じこもりがちであることから、みよし市、名古屋市、長野県大桑村の高齢者を対象に運動教室を実施。参加者からも「学生が気軽に話しかけてくれたので一人でも参加できた」と好評です。運動指導を行った学生も気付きが多くあり、高齢者の健康づくりをサポートしながら、自分たちも成長の機会をいただいていること、スポーツは若者だけのものではなく高齢者が健康寿命の維持を図るためのツールでもあることに気づくことができました。

講評

遠藤和重氏

自治体が行っている高齢者の健康ケアが大学レベルまで広がっているのが頼もしく感じました。

クリス・グレン氏

QOLの向上のためにやらなければならない運動というより、高齢者のニーズを聞いて、高齢者がやりたくなる運動になるとより良いと感じました。



名古屋市立大学 「なごやぱく博物館 ~サステナブルな食を考える~」

発表メンバー 河内翠さん、松井聡美さん、早川実希さん
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 持続可能な食、すなわち昔から伝統的に受け継がれて地域に根付く食や環境負荷の少ない食について学ぶうちに、活動を世界に向けて発信する必要性を実感。持続可能な観光都市名古屋を実現するため「名古屋めし」と、それに知識や学びを組み合わせた学習施設「なごやぱく博物館」を企画しました。名古屋市商店街振興組合連合会、名古屋市、地域の人々からアドバイスをもらった結果、SNSでの実現を目指すことに。インスタグラムに写真、インタビューなどを掲載し、SDGsのポイントも付け加えました。この活動を通して伝えたいことは、持続可能な社会の実現のためには、当たり前を問い直し、自分ごととして捉えることが大切だということ。食文化には持続可能な社会を実現するためのヒントが詰まっているので、食をきっかけに自分を振り返り、持続可能な社会を目指したいと思います。

講評

遠藤和重氏

観光都市を目指す名古屋にとって良い取り組み、楽しいプロジェクトだと思います。

クリス・グレン氏

プランも面白いし、自分の街の観光と食文化をリンクさせて考えている点が素晴らしい。フードロスが大きな問題なので、どうやって減らすのかも考えられると良いですね。



藤田医科大学 豊明団地学生居住プロジェクト「多文化共生社会の地域づくりを目指して」

発表メンバー 小川はるなさん、山田珠莉さん
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 愛知県豊明市の豊明団地を舞台に同市、藤田医科大学、UR都市機構が包括協定を締結の上、団地自治会や商店街とも協力し、地域医療福祉拠点の形成に向けた取り組み「けやきいきいきプロジェクト」を行っています。豊明団地(2127戸)内の賃貸施設を利用して、藤田医科大学が医療・福祉機能を提供する「ふじたまちかど保健室」を設置。プロジェクトに参加する学生が居住し、団地で開催される各種コミュニティ活動への参加を通じ、多様な世代がいきいきと暮らし続けられる住まい、まちづくりを目指しています。居住学生は4つの班に分かれ自治会やまちかど保健室、多文化交流などの活動を行っています。防災サポーターとして災害支援ボランティアも行い、豊明市防災訓練で避難所運営に参加しています。プロジェクトでは今後も住民のニーズを考えてコミュニケーションを取りながらさまざまな年代、国籍の人たちと交流できる機会を作りたいと考えています。

講評

遠藤和重氏

日本の抱える課題を先取りした取り組みですね。団地で多文化共生のモデルのようなものができてくることに期待します。

クリス・グレン氏

今後ますます多文化コミュニケーションは重要になります。これからの課題として特に災害のときに外国人が困らないよう研究も続けて欲しいです。