みんなではじめるSDGs

SDGs特別講座

藤田医科大学 PRESENTS
体験イベントで学ぶ医療現場の今、これからの未来

 8月7日、藤田医科大学(愛知県豊明市)で「夏休み親子医療体験イベント」が開催され、65組の親子が参加。
3つのコースに分かれて身近な食品科学から先端的な最新技術まで、幅広い医療を体験しました。
子供たちは体験イベントを通してSDGsの目標3「すべての人に健康と福祉を」だけでなく、
目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」といった目標との繋がりも学びました。


食品由来の乳酸菌を光学顕微鏡で観察
  ひとつめのコースでは、「食品由来の体に良い乳酸菌を調べてみよう」をテーマに、発酵食品はどうして体に良いのかを探求。子どもたちは2つの乳酸菌飲料から培養した乳酸菌を光学顕微鏡で観察し、見比べました。「菌の写真はなぜいつも白黒なの?」「乳酸菌は増やしてからでないと見えないの?」といった質問も出て、先生が感心する場面も。人の消化管(腸など)に常在する一部の乳酸菌によって、腸内環境が常に正常な状態に保たれていることなどを、実物を見ながら学ぶことで理解を深めました。

体が不自由な人を助けるリハビリの道具を作ってみる
  ふたつめのコースは「体が不自由な人の日常を体験しよう」がテーマ。障害のある人や高齢の人はどんな暮らしをしているのか、作業療法士が講師となり、屈めない、足が上がらないなどの症状で靴下が履けない人のための自助具「ソックスエイド」作りや、リハビリで実際に使っている道具を体験しました。「脳のリハビリテーション」のコーナーでは聞き慣れない言葉に驚きの声も。ここでは認知症予防の運動としても使われる二重課題の「足踏みしながらしりとり」を体験。意外に難しいしりとりに苦戦しながらも楽しみながらリハビリを学びました。

医療現場で活躍する最先端ロボットを体験
  最後のコースは「医療現場で活躍するロボットに会いに行こう」がテーマ。藤田医科大学病院が全国に先駆けて導入した国産手術支援ロボット「hinotori™」の実物を操作し参加者は大興奮。ミリ単位で動く正確さや、手術を円滑にサポートする数々の機能説明にみな聞き入っていました。  他にも実際の医療現場で使われているリハビリ用ロボットや機材を見学。実際の動きに合わせて遠隔で動くロボットや、体を使ったゲーム性のあるものなど、患者さんの状態に合わせて適切なリハビリが行えるよう、あらゆる設備が藤田医科大学病院には揃えられています。それらを見た子どもたちからは、アームの可動域や使える状況を教えてほしいといった鋭い質問が飛び出し、未来の医療人を目指す心が育まれる1日となりました。
 藤田医科大学地域連携教育推進センター長で同大医学部の石原慎教授は「子どものうちから最先端の医療や医学に触れていただくことによって、健康問題や介護に関心を持っていただけたらとの思いで開催しました。通常、病気にならないと病院には行きません。自分が元気なときに病院に来ると違った視点で病院と病院で働く人たちを見られるのではないかと思います。また、このイベントが将来の夢や目標を抱くきっかけになってくれたら嬉しいです」と話してくれました。

サンプルイメージ

愛知県名古屋市 長谷川怜央くん

本物の乳酸菌を見てみたいと思って参加しました。普段見られないものが見られてうれしかった。顕微鏡の使い方が難しかったです。

サンプルイメージ

三重県いなべ市 廣田昂紀くん 直政くん

医療用ロボットに興味があり参加しました。人の手の代わりとなって複雑に動く技術はとてもすごいと思いました。