みんなではじめるSDGs

SDGs:Sustainable Development Goals

Vol.04 豊かな“水”のつながりを考える

今回は辻本達規さんが名古屋市千種区の「水の歴史資料館」を訪れ、
館長の大坪成生さんの案内のもと、
暮らしに欠かすことのできない水環境について考えます。


都市になくてはならない上下水道
辻本 名古屋でも海抜の低い地域では雨水を排水するために下水道が使われているなど、知らなかったことが多く驚いています。目標11「住み続けられるまちづくりを」において上下水道の整備は重要なことなんですね。
大坪 そうです。目標6「安全な水とトイレを世界中に」のように、水循環の観点からも水環境は大切にしなければなりません。展示室では江戸時代に整備された水道を復元したものを展示していますが、近代以前でも都市機能の役割を果たしていたことがわかります。し尿も当時は肥料として再利用されていましたから、とてもSDGsな暮らしだったようです。ところで辻本さんは名古屋の水源がどこかご存知ですか。
辻本 木曽川ですね。豊かな自然が多く、僕が岐阜県出身ということもありキャンプなどでもよく訪れています。
森田 正解です。名古屋の水道計画の当初は犬山にある入鹿池から水を引こうとしていたそうです。しかし、入鹿池では水を賄えないということから、木曽川の水を利用することになりましたが、河川から引き込む「利水」には自然への影響を考慮した制限が設けられています。現在では、木曽川の自然に流れる水だけでなく、ダムの水も使っており、渇水などにも対応できるように、長良川、揖斐川にも水源を確保し、安定的な供給をめざしています。
辻本 何気なく飲んでいる水がすごく貴重なものに感じてきました。水を利用するためダムがあることも勉強になりました。限りある資源を使い続けるためにはどのようにすれば良いか、今一度考える必要がありますね。

豊かな水資源をこれからも利用するために
大坪 災害対策として名古屋市内には、浸水被害を防ぐため雨水を貯めることができる調整池が皆さんの暮らす街の地下にいくつも作られています。近年は集中豪雨も多く発生していますので、そうした存在にも注目してもらいたいです。
辻本 自然と付き合うっていうのはすごく難しいことではあると思うんですけれど、皆さんの努力でそれを利用した豊かな暮らしが実現していることを忘れてはいけないと思いました。

Navigator’s eye


水に関係する目標は6「安全な水とトイレを世界中に」が中心となると思っていましたが、上下水道の整備は目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」や目標11「住み続けられるまちづくりを」にも大きく関わっていることを学びました。災害対策になる“しくみ”があることも大きな発見でしたので、ぜひ多くの人と共有したいと思います。

イメージ

水の歴史資料館

イメージ

BOYS AND MEN 辻本達規氏さん

水の歴史資料館
水の歴史資料館は、名古屋市の上下水道事業100周年を記念して設立されました。
名古屋市の上下水道事業の歴史的な資料や物品が多数展示されています。
・住  所 愛知県名古屋市千種区月ケ丘1丁目1-44
・T E L 052-723-3311
・開館時間 9時30分~16時30分
・定  休 月曜日(休日の場合は直後の平日)
・入  場 無料
・駐 車 場 あり
▶︎公式ホームページ