メガピクスホーム

SDGs:Sustainable Development Goals

Vol.02 エシカルとSDGs

環境や社会に配慮した商品を選ぶ「エシカル」消費で未来を変えよう

エシカル・ツキイチ・マルシェ

エシカルなお買い物で「地球と世界が笑顔でつながる」をテーマにした『エシカル・ツキイチ・マルシェ』出展者の皆さん

原田さとみ 「エシカル・ツキイチ・マルシェ」は、名古屋市をフェアトレードタウン認定に導いた「フェアトレード・ツキイチ・マルシェ」の思いを受け継ぎ2022年4月からスタートしました。そのエシカルな視点は、持続可能な社会を目指すSDGsとも繋がります。地域から世界の課題解決に貢献し、街のにぎわいや活気を育み交流の場を創出することを目的にしています。今回は実行委員会と出店者の中からいくつかのグループの活動を紹介します。
まずは、ツキイチ・マルシェ委員長のRela株式会社 松田建次さんからお願いします。
松田建次 「エシカル・ツキイチ・マルシェ」を運営するツキイチ・マルシェ委員会の委員長を務めています。自社の活動としては、廃棄されるバナナの葉で作られた雑貨の販売を行うP.a.d Banana Leaf Productであり、出店もしています。このマルシェは、以前、フェアトレードタウン運動をされてきた原田さん達が開催していたフェアトレード・ツキイチ・マルシェの第二章として始まりました。意志を受け継ぎつつより広い意味合いを持つエシカルというネーミングに変更しました。エシカルの中にフェアトレードもありますし、アップサイクルやエコ、地産地消も含まれています。私は百貨店などとの繋がりがありますので、よりエシカル消費のことを皆さんに知っていただけるような場所をつくる、エシカルマルシェやイベントの企画運営をしています。
原田 「エシカル・ツキイチ・マルシェ」は毎月第三日曜日開催で、現在では30~40の団体が出店され、毎月出店団体は増えていてます。今回のツキイチ・マルシェでは、委員会メンバーの「NPO法人コーヒー生産地と協働する会(from soil to cup)」古賀聖啓さんが、ちょうどルワンダから帰ってきたところですので、ブースではルワンダでのコーヒー生産地のお話がお聞きできます。

ツキイチマルシェ委員長の松田さん

ツキイチマルシェ委員長の松田さんと

古賀聖啓 「NPO法人コーヒー生産地と協働する会(from soil to cup)」という団体を作ってアフリカのルワンダ共和国で、土地改良を通じた小規模コーヒー農家の持続的な農業生産を支える支援を行っています。支援地域で栽培されたコーヒーを販売しながら、持続的にコーヒーを生産していくための土壌改良をサポートしています。団体を立ち上げたのは2018年。農家さんはコロナ禍の影響を大きく受けました。ルワンダの感染者数自体はそこまで多くはなかったものの、ロックダウンしたために食料の供給が止まり、地域的に食料価格が上がったこともあって農家さんの生活に悪い影響が及びました。
原田 ツキイチ・マルシェでは、途上国で課題解決に取り組む方々の海外のお話を聞いていただき、その商品を買うことができます。さらには私たちの住む地域や、日本国内での課題解決も大切に思っていまして、国内でも様々な団体がアクションを起こしています。その中で企業として課題解決に取り組む、(株)東海理化の荒河修里さんをご紹介します。自動車製造の過程で残る端材を使った魅力的な商品を開発されました。
荒河修里 弊社は自動車部品を製造しています。さまざまな部品を製造する中、シートベルトの生産工程から端材が発生してしまっていました。以前はこの端材を集め、回収業者に引き取ってもらい、業者はそれを砕いて道路の材料にしていたのです。砕いて熱をかけてしまう時点でもうベルトの良さは無くなってしまいます。ベルトの強さを利用して、余分なエネルギーをかけずに何か付加価値を付けることはできないと考えたことが商品開発のきっかけです。地元愛知のさまざまな企業に声を掛けさせていただき、それぞれの業界から出る端材、ビニールカーテンの端材を組み合わせた商品「Think Scrap」を展開しています。物販は昨年5月から始めて、ツキイチ・マルシェに出店したことをきっかけに販売チャンネルと繋がることができ、昨年は百貨店で地元の大学生と商品企画をやらせていただき販売することもできました。みなさんに助けられながらプロジェクトを進めさせてもらっています。
原田 ツキイチ・マルシェはモノを売るためだけの場ではなく、つながる交流の場でもあります。商品にストーリーがあり、商品も良いので、未来に役立つコラボレーションもたくさん生まれています。
荒河 スラックラインのS.C.SeaMonkeysさんに、シートベルトと似ているのでできないか話をしたら、すぐにやらせていただけて。大会が行われている横でシートベルトのスラックラインをやらせてもらい、うちからはいくつか賞品を提供させてもらいました。
原田 素敵なコラボですね。企業さんにもどんどん出店していただきたい。
荒河 他のメーカーさんでもアップサイクルに関心が高まっています。もちろん我々も応援したいです。
原田 続いて、木工ワークショプ出店だけでなく、ツキイチ・マルシェ本部の木製テントや木製看板、木製テーブル・イスなど製作により、マルシェの木質化に貢献してくださっている豊川市の井上貴仁さんを紹介します。
井上貴仁 私は建築士で、GIFT(Glocal Innovation Factory Toyokawa)という工房を設けて都市や街の木質化、街で木を使いましょうという活動をしています。原田さんからイベント会場で木のテントや置物を制作できないかとお誘いいただいたことをきっかけに、ツキイチ・マルシェにも関わらせていただいています。
原田 会場の看板や、ブース内のディスプレイ什器などをできるだけ木製にしています。地域木材や、国産材からできた木材を使用しています。
井上 国産、愛知県産のものを使った地域内フェアトレードです。とにかく今、木を使っていかないと山がサイクルしなくなってしまいますので、木に関わる皆さんがCO2の削減やカーボンニュートラルの実現に向けて、山の資源を都市の中でもたくさん使おうとしています。ツキイチ・マルシェでは子どもたちに向けた建築端材を使ったワークショップもやっています。回数を重ねるうちにリピートして来ていただいている方もいて。今日、嬉しかったのは、昨年来ていただいた方で、子どもへのクリスマスプレゼントが、かなづちだったと教えてくれたことです。また、端材が欲しいと言われて、持って帰っていただきました。こうやって広がりが想像を超えていくのがすごく楽しいですし、新しい発見もできて色々なことを教えてもらう良い場所になっています。
原田 会場の中で買い物していただく際には、マイバッグ、マイカップ、マイ箸でゴミを出さないようご協力いただいています。そこで頑張ってくれているのが一般社団法人SOWHAT(ソワット)さんです。スタッフの室山楓さんと、利用者の手嶋敦代さんにお話お聞きします。
室山楓 私たちは障がい者の就労支援を行っている団体で、今回で4回目の出店です。マルシェ内で使用するお買い物バッグを中日新聞さんから提供していただいた古新聞で製作しています。ブースではアップサイクル・ペーパーバッグ作りのワークショップを行っています。ワークショップでは、参加者の方とSOWHATの利用者が一緒に1つのものを作り上げます。そこには人と人との温かいコミュニケーションが生まれます。そんな時間や交流を大事にさせていただいています。SOWHATにとってとてもありがたい体験となっています。
原田 ペーパーバックを90枚作って持ってきて、朝一番に全部のお店に配ってくださっているんですよね。
室山 何回か顔を合わせている方もいて、前回もいただきました。嬉しかったですってお言葉をもらいました。
原田 手島さんはペーパーバッグ製作を続けることで、どんどん元気になられたそうです。
手嶋敦代 はい。私は軽い知的障害があり、娘を亡くしてなかなか家から出られなかったのですが、SOWHATと出会って、今はみんなと一緒に働いています。日にちを重ねてまた笑うこともできたし、みんなとつながろうという気持ちになりました。ペーパーバッグを作りながら、人と会話したりご飯を食べたりすることがこんなに楽しいことなんだって感じることができています。
室山 SOWHATではペーパーバッグを分業で作ることを通して、利用者さん同士のコミュニケーションを大切にしています。ツキイチ・マルシェでは、初めて出会う方々とお話をしながら一緒に作業するという貴重なコミュニケーションができ、SOWHATスタッフも利用者さんも元気になっています。
手嶋 どんなふうにしたらできるかなって皆で繋がって話をして一つのものを組み立てていくワクワク感があって、ツキイチ・マルシェに行くのが毎回楽しみです。
原田 SDGs達成には課題は山積みかもしれません。でも志を高く持ち、1歩でも2歩でもアクションしていくことが大切だということを、ツキイチ・マルシェに来た人が感じていただけたらいいのかなって思います。

サンプルイメージ

支援地域で栽培されたコーヒー

サンプルイメージ

シートベルトのアップサイクル商品が並ぶ

サンプルイメージ

木材を使ったワークショップも

サンプルイメージ

古新聞を使ったエコバッグ制作

エシカル・ツキイチ・マルシェは、毎月第3日曜日(10時〜16時)、久屋大通公園シバフヒロバか、テレビトーヒロバのどちらかで開催しております。(8月と1月はお休み)
5月は、フェアトレード月間のためスケジュール変更となります。
・5月20日(土)10時〜17時 久屋大通公園テレビトーヒロバにて開催
・5月28日(日)10時〜16時 久屋大通公園シバフヒロバにて開催
原田も会場におります。ぜひ、遊びにお越しください。

■エシカル・ツキイチ・マルシェ
毎月第3日曜日(10時~16時)久屋大通公園にて開催。エシカルなお買い物で、地域と世界が笑顔でつながる。
主催:ツキイチマルシェ委員会
問合せ:tukiichi.marche@gmail.com
■P.a.d Banana Leaf Product
タイのバナナの葉でできた財布やバッグの販売。捨てられるはずの枯れたバナナの葉で作られた、自然を感じさせてくれるエコなフェアトレード・ブランド。
■NPO法人コーヒー生産地と協働する会(from to soil cup)
アフリカのルワンダで小規模農家と土作りをしながらコーヒーづくりを支援。美味しいルワンダコーヒーをお届けします。
■Think Scrap
東海理化の自動車向けシートベルト端材と社会の端材でアップサイクルされたバックなどを販売。
■DIY&FAB GIFT(Glocal Innovation Factory Toyokawa)
都市や暮らしの木質化を提案。あいち認証材を使った木製テント、看板などを展示。地域材の工作ワークショップ開催。
■一般社団法人SOWHAT
福祉施設ソワットさんの皆さんが会場に来てくださり、中日新聞社提供の古新聞紙でお買い物バッグを製作し、マルシェ来場者に提供している。ワークショップも開催。
■「ツキイチマルシェ」のラジオ番組、毎月第2土曜 夜9時~オンエア!
ZIP-FM 77.8『THINK ABOUT THE FUTURE feat. Ethical Tsukiichi Marche』
「世界に優しく、地域に楽しく、未来に美しく」をテーマに、人・社会・地球環境に配慮したエシカルな暮らしについて一緒に考えます。エシカル・ツキイチ・マルシェ出店者のインタビューも。
ナビゲーター/ 原田さとみ
放送日時/ 毎月第2土曜日夜9時~10時