Vol.09 航空宇宙産業の技術革新を学ぶ
今回は辻本達規さんが岐阜かかみがはら航空宇宙博物館を訪れ、
学芸員の加納舞さんの案内のもと、
航空宇宙産業の役割や生活とのつながりについて学びました。
実物大模型15機を含む計56機が展示公開
多様な技術が集積する航空機発展の重要拠点
辻本 各務原は航空産業の街として知られていますが、その成り立ちを教えてもらえますか。
加納 小高い平地が広がっていることに加え、伊吹おろしの西風が離陸に適する当地は滑走路の建設に適し、所沢に次いで国内2番目の飛行場が造られました。それ以来、航空機開発の重要な拠点であり続けています。
辻本 岐阜県民として誇らしいです。大型の短距離離着陸機など、みたこともない航空機が造られていたことにも驚きました。
加納 一つの産業にさまざまな企業が関わることで多様な技術が集積し、新しい可能性に向けて発展を続けてきました。県内の航空宇宙産業に携わる企業も紹介していますので、身近に感じられるかもしれませんね。
軌道再突入実験機(OREX)「りゅうせい」(1/1模型)と
H-Ⅱロケットフェアリング(実物)
驚きの航空宇宙産業 技術革新による可能性
辻本 宇宙産業は遠い世界の話ではなく、僕たちの生活に欠かすことのできない技術ということも新しい発見でした。
加納 そうですね。一番身近なものだと人工衛星による通信・放送技術だと思いますが、位置測位システムのさらなる向上も計画されています。山間や洋上でもより正確な位置情報を手に入れられるようになるかもしれません。現在では人工衛星からの画像を災害時に利用するという試みも始まっていますので、豊かな暮らしの実現のため、宇宙産業の発展には大きな期待が寄せられています。
辻本 自分も山登りを楽しむ時に位置情報サービスを活用していますが、こうした所にもつながる産業だったんですね。
加納 人工衛星に使われるサーマルブランケット(断熱材)も今では防寒具として使われていますよね。新しい技術を生み出すイノベーション(技術革新)は研究の現場だけでなく、これまであった技術を見直し、改良したり転用することで生まれることもあります。
辻本 SDGsによって効率や利益だけを求める開発が見直されてくれば、これまで使えなかった技術を活かした全く新しい発想が生まれるかもしれませんね。
Navigator’s eye
技術が進歩することによって、自分たちの暮らしも向上し、人々がより安全で安心な暮らしができる一歩なんだということを聞いてすごくわくわくしました。SDGs9「産業と技術革新の基盤をつくろう」のイノベーションの意味や、13「気候変動に具体的な対策を」、14「海の豊かさを守ろう」といった目標にもつながる衛生リモートセンシングはすごいと思いました。
岐阜かかみがはら航空宇宙博物館
BOYS AND MEN
辻本 達規
岐阜かかみがはら航空宇宙博物館
2018年3月24日に、展示面積が従来の1.7倍の約9,400平方メートルとなり、
日本を代表する航空宇宙専門博物館としてリニューアルオープンしました。
『航空エリア』『宇宙エリア』の展示のほか、『学習プログラム』や『ツアー』なども定期的に開催。『見て』、『学んで』、『体験できる』博物館です。
・住 所 岐阜県各務原市下切町5-1
・T E L 058-386-8500
・開館時間 平 日 10:00~17:00、土日祝 10:00~18:00
・休園日 第1火曜日(祝日は翌平日)、年末年始
・入 場 大人800円、高校生・シルバー(60才以上)500円、中学生以下無料
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