みんなではじめるSDGs

SDGs:Sustainable Development Goals

Vol.02 持続可能な循環型農業を学ぶ

今回は服部愛子さんが名古屋市農業センターdelaふぁーむを訪れ、
所長の若杉友和さんと園芸チームリーダーの野村綱史さんの案内で、
都市農業の役割やSDGsとの繋がりについて学びました。


家畜の排泄物も肥料として利用している

農業と市民の架け橋に 名古屋伝統野菜の復活も
服部 名古屋市内にあることを忘れてしまうほど緑豊かで落ち着く場所ですね。
若杉 街とともにある農業の推進のために、市民と農の架け橋となることが本施設の役割です。もとは名古屋市の都市農業の振興をはかるための施設として、現在でも農業指導や農業振興、名古屋コーチンなどの品種管理も行っています。
服部 牛舎もリニューアルされましたね。
若杉 今年から7頭の親牛と3頭の子牛を飼育しています。飼育環境の見学として搾乳などもご覧いただけるほか、牛の排泄物を堆肥にして園内の作物の育成に利用しています。農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減する、循環型農業を目指しています。
服部 SDGsにもつながる取り組みですね。
野村 SDGsの観点からいうと野菜にも伝統野菜と呼ばれる品種があることをご存知ですか。八事五寸ニンジンや愛知大晩生キャベツなどを含めた5品種を、文化継承目的に育成しています。
服部 初めて聞きました。
野村 大量生産に向いていない、管理が難しいなど、さまざまな理由から作られなくなり、市場にも流通しなくなりました。ただ、五寸ニンジンなどは江戸時代に食べられていたとも言われている品種で、食文化の継承も持続可能な開発には必要なことではないでしょうか。

形や色が基準に満たない野菜を選別

不揃いの野菜も美味しく 広がるSDGsの輪
服部 ここで採れた野菜は購入もできるのでしょうか。
野村 もちろんです。今は新玉ねぎの収穫が終わり、仕分け作業をしています。その他にもプチトマトやえんどうまめ、ニンニクなども収穫しました。ただ、最近は温暖化の影響か、ニンジンの実が割れたり、玉ねぎが歪な形に育ったりということもありますね。
服部 販売できなくなってしまうということでしょうか。
若杉 そうですね。形も商品価値となります。しかし、品質に問題はありません。こうした商品として扱えない野菜を、子ども食堂を運営する近隣施設に寄付する活動も始めました。とても喜んでもらえたので、ぜひ今後も続けていきたいと考えています。
服部 目標17にもつながる素晴らしいパートナーシップができたわけですね。

Navigator’s eye


食に関する目標では、地産地消の考え方が高く評価されています。旬の時期に旬のものを食べる。好き嫌いをせずになんでも食べる。簡単なことなので、ぜひこれから実践していこうと思いました。施設内では近隣大学とコラボレーションしたコミュニティガーデンも見ることができました。こうした若い力が農業との架け橋となってくれるといいですね。

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名古屋市農業センターdelaふぁーむ

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ラジオパーソナリティ・ナレーター
服部愛子さん


名古屋市農業センターdelaふぁーむ
名古屋農業センターは昭和40年4月1日(1965年)に開設され『野菜と家畜』をテーマにした農業公園として市民に愛され親しまれている施設です。
・住  所 名古屋市天白区天白町平針黒石2872番地の3
・T E L 052-801-5221
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