みんなではじめるSDGs

SDGs:Sustainable Development Goals

Vol.05 オープンイノベーションで社会課題を解決

今回は日本最大級のスタートアップ支援拠点
「STATION Ai」が名古屋・鶴舞に10月にオープンするのにあわせ、
スタートアップコミュニティのコミュニティマネージャー
山本有里さんが注目するスタートアップを訪ねました。


認知症高齢者向けタブレット「ケアびー」を紹介する臼井さん

スタートアップへの理解やサポートが手厚い愛知県
山本 先進的な技術やアイデアで新たなビジネスモデルを創り出すスタートアップは、社会のさまざまな課題を解決する可能性を秘めています。その1つであるHubbitの臼井さんは、「STATION Ai」にどのようなことを期待されていますか?
臼井 私の実感として、愛知県のスタートアップへの支援は、全国でもトップクラスです。「STATION Ai」にはスタートアップだけでなく、大手企業も入居するので、そういう方々との出会いから起こる偶然の発見や協業に期待しています。
山本 臼井さんが起業したきっかけは何だったのでしょうか?
臼井 自身の介護の実体験からです。何が何でも起業家になりたいという思いがあったわけではありません(笑)。新たな技術で介護をよりよくしたいという思いが最初にありました。
山本 具体的にどのような商品を開発されていますか?
臼井 認知症高齢者向けタブレット「ケアびー」があげられます。「認知症の人には無理」という常識を覆し、認知症の人でも使えるICT(情報通信技術)機器を提供しています。自身がいつまでも人間らしく生きることと、介護者が安心でき負担が軽減できることの両立を目指しています。
山本 ありがとうございます。「すべての人に健康と福祉を」というSDGsに共通する理念ですね。

「STATION Ai」外観

さまざまな社会問題に取り組む起業家を支援
山本 同じく入居予定のJOYCLEの小柳さんはどのようなことを期待しますか。
小柳 起業をする以前から「PRE - STATION Ai」(※)に関わらせてもらい、さまざまなサポートをいただいています。8月には大規模な資金調達に支援いただいたのですが、ここまで育てていただけるスタートアップ拠点というのは他にはないと思います。山本さんがコミュニティマネージャーとして起業家同士を繋ぐイベントを企画され、製品のPRまでしていただけることも大きいですね。
山本 ありがとうございます。小柳さんが起業されたきっかけや商品について教えてください。
小柳 自治体の税収減少による大型焼却炉の維持問題や、ゴミ処理のコスト、CO2排出量の増加などが社会問題となっています。これらを解決するため、ゴミを手元で資源化できるインフラが必要だと考えました。従来の大型焼却炉に代わる、小型で分散型の装置「ジョイクルボックス」を開発中です。これは電気で加熱し、AIを活用して効率的にゴミを炭化・資源化します。
山本 「産業と技術革新の基盤をつくろう」や「住み続けられるまちづくりを」など、多くの成果が期待できますね。
小柳 はい。「STATION Ai」には上場企業や大学なども入居予定と聞いています。他業種と交流できる恵まれた環境を生かして、引き続き社会課題の解決に取り組んでいきたいと思います。

※STATION Aiのオープンに先駆けて、2022年4月WeWorkグローバルゲート名古屋に開設。スタートアップの総合支援を行っている。

イメージ

STATION Ai コミュニティマネージャー・山本有里さん


STATION Ai

名古屋市鶴舞公園南側に開業予定の国内最大級のオープンイノベーション拠点。スタートアップの創出・育成やオープンイノベーションを促進するために、国内外のスタートアップ支援機関・大学との連携等を通じて、様々な支援サービスを提供する。(名古屋市昭和区鶴舞1丁目2番32号)
【提供プログラム】
・ スタートアップ支援プログラム
・ 各種勉強会
・ ミートアップイベント
・ 事業会社とスタートアップの共創支援 ほか