みんなではじめるSDGs

SDGs:Sustainable Development Goals

Vol.06 戦争のない平和な世の中を繋ぐ

今回は服部愛子さんが「戦争と平和の資料館ピースあいち」を訪れ、
館長の宮原大輔さんの案内のもと、
日本における戦争の歴史をたどり、
平和の実現について考えました。


実際の焼夷弾を手にとって触ることができる

SDGsの対極にある戦争について考える
服部 戦争を物語るさまざまな展示を拝見すると、改めて今の平和の重みを感じます。
宮原 戦争と平和の資料館 ピースあいちは、15年間続いたアジア・太平洋戦争の資料を集め、記憶をつなぎ、それらを展示している資料館です。来年で戦後80年ですが、当時を語ることができる方も少なくなっていることから、話し手の継承も行っています。
服部 私の祖母も軍需工場で働いていたと聞かされていました。戦時下での生活がうかがい知れる資料も多く、伝え聞いた話と合わせると、より強く当時の様子がイメージできます。
宮原 実際の焼夷弾や、原爆に晒された屋根瓦のざらついた破片など、戦争の悲惨さを物語る展示物から、何か一つでも興味を持ってもらえればと思います。戦争はSDGsの対極にあり、17の目標全てを破壊します。展示資料の一つ一つがどの目標に当てはまるのかを考えてもらうと、人々が辿った歴史からSDGs達成の糸口が見えてくるかもしれません。

原爆に晒された屋根瓦のざらついた破片も

平和に対する思いをみんなで繋いでいく
服部 現在でも、貧困や飢餓の多くは戦争や紛争が引き金となって生まれ、犠牲になるのは子どもたち弱者です。
宮原 そうですね。貧困や飢餓は戦争とつながり、どちらも人々の安全を脅かしています。また、かつて戦争の中では情報が統制され、国が流した「連戦連勝」の情報を国民は信じて「勝った勝った」と熱狂しました。戦争は国が行うだけでなく、国民も戦争を支えたのです。
服部 目標10「人や国の不平等をなくそう」を達成するためには無関心をやめ、理解を深め、自分たちで道を選ぶ必要があるということですね。展示資料には戦時下での情報統制や軍事教育に関するものがありますが、ロシアによるウクライナ侵攻と重なります。平和の上で生活できている私たちだからこそ言えること、伝えていかなければならないこと、そんな平和に対する思いもみんなで繋いでいくことが大切だと感じました。
宮原 「現代の戦争と平和」のコーナーでは紛争や事件の記録と並行して、声を上げ、活動を続けた世界の人々の、平和への取り組みを紹介しています。対比してご覧いただくとより学びが深まるのではないでしょうか。
服部 過去と未来の繋がり、人と国の繋がりは複雑そうに見えますが、それらを平和に繋げられるよう、私もここで得た思いを繋いでいきたいと思います。

Navigator’s eye


「いま平和をつくるためになにかをしようとしている世界中の人たちの希望に、私たちの希望を編みあわせていこう」というメッセージが心に残りました。目標10「人や国の不平等をなくそう」や目標16「平和と公正をすべての人に」に対して何ができるんだろうと考えていましたが、自分が学んだこと、感じたことを周りの人や次の世代に伝えていくことも、SDGsの取り組みになることがわかりました。

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戦争と平和の資料館 ピースあいち

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ラジオパーソナリティ・ナレーター
服部愛子さん


戦争と平和の資料館 ピースあいち

戦争のことを伝え次世代の平和のために役立てるため設立された、市民の手で運営されている資料館。(名古屋市名東区よもぎ台2丁目820)
休館日/日曜日・月曜日
入館料/大人300円、小中高生100円