みんなではじめるSDGs

SDGs:Sustainable Development Goals

Vol.08 信頼をつなげるフードバンクの輪

今回はイレーネさんが認定NPO法人セカンドハーベスト名古屋を訪問。
理事長の前川行弘さんに同団体が取り組む
社会的貧困者への食糧支援(フードバンク事業)と、
SDGs達成に向けた課題を伺いました。


セカンドハーベスト名古屋活動の仕組み

減らない貧困、広がる支援 信頼関係構築の架け橋に
イレーネ セカンドハーベスト名古屋が設立されて16年とのことですが、社会はどのように変化してきましたか。
前川 東日本大震災、新型コロナウイルス感染症の拡大、近年では物価高騰などによって、日本の貧困問題は大きく影響を受けてきました。ここ数年、生活困窮者への支援数は高止まりの状態で、今後もこうした傾向は続くと思われます。一方、諸物価高騰の影響から、企業は食品ロス低減に注力するようになり、全国的にフードバンクへの食品提供が減少する事態となっています。食品ロス低減もSDGsの一環ですが、困窮者支援も大事な課題であることから、企業に社会貢献や持続可能性への取組みとして積極的に食品寄贈を促す活動を進めて行きたいと考えています。
イレーネ 具体的な支援の仕組みについて教えてください。
前川 生活保護に至る前の支援として、食料支援は非常に重要な役割を果たしています。単なる物資の提供以上の意味があるんですよ。そこで、当団体は社会福祉協議会などの支援機関と連携し、必要な方に食品を届ける仕組みを構築しています。
イレーネ 食料支援が果たす役割について教えてください。
前川 食品支援をきっかけに、支援を必要とする方々が相談窓口を信頼し、より包括的な生活支援につながるケースが多いのです。食品という目に見える支援が、信頼関係構築の架け橋になっています。
イレーネ 目標17のようにパートナーシップを組むことで、支援の輪がさらに広がるわけですね。

支援物資が整理され並べられている倉庫内

地域に根ざした持続可能な支援の仕組みづくりが不可欠
イレーネ フードバンク事業で最も留意していることはなんですか。
前川 食品の安全管理が一番です。ボランティアの方々の献身的な努力で運営していますが、食の安全を担保するためには、物流を含めたしっかりとした管理体制が必要です。
イレーネ そのためには地域におけるフードバンクのネットワークの拡充も必要ですね。
前川 そうですね。SDGsの目標1、2、3に関係する飢餓や貧困の問題を解決するには、地域に根ざした持続可能な支援の仕組みづくりが不可欠だと考えています。フードバンク活動は、食品ロスの削減と生活困窮者支援という二つの社会課題の解決に貢献できる活動です。「誰一人取り残さない」というSDGsの理念を地域で実現するため、ぜひ活動に関心を持っていただければと思います。

Navigator’s eye


フードバンクやネットワークの話をお聞きし、目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」が、他の目標達成にいかに大切かを学ぶことができました。そしてさまざまな問題をひとくくりにするのではなく、一つ一つの目標や問題に目を向け、「支援を目的とした余分を作る」と言う考え方も今後は必要なのだと思いました。海外であるような、寄付文化の醸成も重要な取り組みですね。

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認定NPO法人セカンドハーベスト名古屋

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ラジオDJ / タレント
IRENE(イレーネ)さん


認定NPO法人セカンドハーベスト名古屋

名古屋市を中心に東海3県でフードバンク活動を行っている。
(名古屋市北区城東町7丁目148)
TEL: 052-913-6280
※食品・ご寄付の受付は平日9~17時