みんなではじめるSDGs

SDGs:Sustainable Development Goals

Vol.02 働くすべての人のために。誰一人取り残さないSDGs

中日新聞「みんなではじめるSDGs」では
各分野でSDGsを実践される方たちにリレーインタビューを行います。
今回は連合愛知会長 可知洋二氏に
働くこととSDGsのつながりについてお話を伺いました。


日本労働組合総連合会愛知県連合会 会長
可知 洋二氏

働く意識を変える
ーメーデーにはどのような開催意義があるのですか。
可知 労働者が集まり、団結して権利を主張する場として世界各地に広まったのがメーデーです。現在では働くすべての仲間の祭典として、労働条件の向上に留まらず、本年の愛知県中央メーデーでは、戦後80年の節目として「平和」、自然災害の多発から「防災意識向上」を社会に向けてメッセージを発信しました。
ー労働環境の変化について教えてください。
可知 働き方改革によって、あるべき労働時間を管理しながら年休取得などの豊かな生活時間の確保や育児・介護と仕事を両立できる環境の実現などが求められています。女性の労働環境に関しては、出産で仕事を辞める「M字カーブ」は改善が見られますが、30代以降は非正規で働く人が増える「L字カーブ」という課題は解消されていません。「家事や育児は女性がやるもの」というような無意識の思い込み(アンコンシャスバイアス)を変え、男性の育休取得を促進し、誰もが活躍できる社会を働く者の立場から声を上げています。

愛知県中央メーデーの冒頭に行われた
平和への願いを込めたエイサーの演舞

誰もが働ける環境を
ー意識をしっかりともち、持続していくことが大切ですね。一過性で終わらせないために何が必要でしょうか。
可知 津島市と西尾市に「ここあファーム」という農園を開園し、収穫した米や野菜をフードバンク経由で生活に困っている方などへ届けています。また、農作業は、障がいのある方たちにお願いし、組合員の家族や児童養護施設の子どもたち向けの農業体験イベントなども行っています。
ー連合愛知の活動は多岐に渡りますね。
可知 労働組合がある職場で働いている人は全国で約16%、愛知では約20%です。組合員だけでなく、働くすべての人のための活動に取り組み「働くことを軸とする安心社会」をめざして、持続可能な地域づくりに貢献して参りたいと考えています。

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食育や自然保護の重要性を学べる「ここあファーム」
障がい者の就労支援にも寄与している

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大規模災害への備えやボランティア派遣も行っている