Vol.03 自分たちの未来につながる、SDGsの視点で考えるごみ問題
中日新聞「みんなではじめるSDGs」では
各分野でSDGsを実践される方たちにリレーインタビューを行います。
今回は愛岐処分場 場長の瀧川潤さんに名古屋市から排出されるごみについて、
そして処分場を使い続けるために大切なことを伺いました。

名古屋市環境局愛岐処分場 場長
瀧川 潤氏
分別で減らすゴミの排出
ーまず、愛岐処分場はどのような施設か教えてください。
愛岐処分場は昭和57年から稼働している名古屋市の最終処分場で、主に焼却工場から出る焼却灰を受け入れています。埋立面積は25ヘクタール、総容積は444万立方メートルにもなりますが、現在の残容量はおよそ8パーセントしかありません。それでも、ごみ非常事態宣言が出された平成11年ごろの年間埋立量が約24万トンだったのに対し、今は約5000トンまで減らすことができました。市民の皆さんの懸命なごみ減量・分別への取り組みが、処分場の利用期限を大きく延ばしてくれたのです。
ー処分場にはどのような役割があるのですか。
まずごみを貯留し、安定化を図ること、次に雨水などの水を適切に管理することがあります。埋立地にしみ込んだ雨はごみの層を通り汚れてしまうため、地下に張り巡らせた導水管で集め、処理施設できれいにしてから河川に放流しています。ごみの層を通らない雨水は防災調整池へ、汚れた水は浸水調整池へと経路を分け、処理の負担を最小限に抑える工夫もし、大雨時にも対応できる体制を整えています。さらに廃棄物貯留ダムがごみの崩落を防ぐなど、自然豊かな立地の中で、環境と安全を守る仕組みが幾重にも張り巡らされているのです。

浸出水処理施設と浸出水調整池。
奥には埋立地に植えられた木々が育つ森が広がる
限りある場所を持続的に使うために
ーSDGsの視点から、処分場を長く使い続けることにはどんな意味がありますか。
目標12「つくる責任 つかう責任」が示すように、ごみを減らしリサイクルを進めることは、地球規模の資源保全につながります。新たな処分場用地の確保が非常に難しく、今ある施設をいかに長く使い続けるかも重要な課題です。また、埋立が終わったエリアでは岐阜県の大気環境推奨木などを植樹して森を育てており、目標15「陸の豊かさを守ろう」にも通じる取り組みを続けています。
ー私たち一人一人にできることを教えてください。
まず「ごみを出さない・減らす」、そして「正しく分別してリサイクルに回す」という3Rを日々の暮らしの中で意識していただくことが一番大切です。商品パッケージの「プラ」「紙」といった表示を確認する習慣だけでも、リサイクルの精度は大きく変わります。見学に来た子どもたちも「ごみを減らさなきゃ」と前向きな気持ちになって帰ってくれますが、SDGsが浸透してきた今、大人も子どもも同じ目線で取り組める時代になってきたと感じています。所在地が多治見市にあるということで処分場の維持管理や運営には多治見市や地元の諏訪町の皆さんのご理解やご協力に支えられていることも忘れてはいけないと思います。この先も長く、大切に愛岐処分場を使っていくために、われわれもできる限りの工夫や努力をしていきます。皆さんにも3Rを意識していただいた暮らしを送っていただけたら大変うれしく思います。
